ナースのストーリー

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手に職をつけたら将来は安泰。しかし・・・

看護師 中尾久美子

画像 「親に負担をかけず、自立したい」その思いから看護師を目指しました。実は、進路を決めるときに私は迷っていました。
  大学進学は親に負担をかけるし、やりたいことが見つからない…。そんな時、友達に誘われて土庫病院の一日看護体験に参加。しばらくして、土庫病院の方から「進路は決まりましたか?」という連絡をもらいました。
 その時に奨学金制度のお話など詳しく聞かせてもらって。これなら、親に負担をかけなくてすむし、手に職をつければ仕事にも困らないだろう、と考え看護学校に行くことを決意。 ところが、看護学校に入ったら大変。まわりには小さい頃から看護師になることを夢見て入学した人が多くて、私は仕事として看護師を選んだので温度差がありました。
  憧れと夢を持って目指している友達はやっぱり一生懸命でくじけない。私は勉強についていくのがつらくて(笑)。でも、ココでやめたらもったいないな、と。なんとか挫折せずに、看護師になることができました。そうそう、学費などの費用の面も、土庫病院の奨学金などで全て自分で工面できて親には一切の負担をかけずにすみました。   

職場環境の良さはピカイチ

 土庫病院は病院全体で食事会があったり、バーベキューを企画したり。テニスや野球のサークルもあるので、部署や職種の垣根を越えて仲良くなることができるんです。
そのおかげで私は同期がいないのですが、年の近い先輩方と仲良くなり、人間関係で悩むことはほぼ無かったですね。 また、新人の当初は外科に配属されたのですが、患者さまも年の近い方が多く、とても明るい雰囲気。実は、私は人見知りで自分から発信することが苦手だったのですが、先輩から先生までとてもフレンドリーですし、患者さまもすれ違いざまにハイタッチをするほど明るい。だから自分もまわりに乗せられて、元気よく仕事をこなすことができました。
 また、内科に移動してからは、患者さまひとりひとりと密に触れ合う機会が増えました。長く入院されている方も多く、床ずれしないためにはどうしたらいいだろうと試行錯誤し、学会や研究会に参加して勉強し、患者さまに実践して症状が改善した時はうれしくて、うれしくて。努力すれば報われる、その言葉を実感しました。

病院に来て良かった、と思ってもらうために

画像   現在は外来に勤務していますが、「言葉の重要性」を感じます。患者さまは待ち時間がとても長いことがありますから、しんどそうにしている方には「横になられますか?」 など声をかけると、後々「あの時、声をかけてくれたおかげで安心できた」などの喜びの声を寄せてもらえることもあります。
  逆に、自分では何気ないひとことでも、不安を抱えている患者さまにとっては怒りに触れることもあります。言葉ひとつひとつに責任を持って、患者さまの気持ちになり声をかけることの必要性を常に考えています。
  看護師歴16年と長くなりましたが、まだまだ”理想の看護師”にはなれていません。これで完璧、という答えはなく、いろんな選択肢があるのでもっと勉強しなければいけないし、そこが面白いところでもあります。この仕事は一生、続けていきます。
  自分が新人の頃、憧れていた看護師さんがいるように、憧れられるような看護師を目指して。                          
                              
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もう一度看護がしたいと思った

看護師 城戸裕美

画像 結婚を機に退職し、専業主婦として家事と子育てに追われる毎日を送っていた私ですが、3人目の子どもに心室中隔欠損が見つかりました。状態が思わしくないため生後3か月で手術を受けることになり、大きな不安に苛まれて私の精神状態も不安定になっていました。看護師として様々な患者さまに出会ってきましたが、自分が患者の立場になるとその経験は吹っ飛んで冷静に考えられず、子どもの状態に一喜一憂していた私。そんな時看護師さんの言葉に何度助けられたかわかりません。子どもが入院したことで、看護師が持つ言葉の力を目の当たりにし、この仕事の価値を再認識した私は「やっぱりもう一度看護がしたい」という気持ちが日に日に強くなっていきました。
   とはいうものの、3人の子どもを抱え、しかも3人目は心臓手術を受けた既往があります。そんな状態で一歩踏み出す勇気が持てず、ブランクは7年を過ぎようとしていました。3人目の子どもの体も落ち着いて、そろそろ復帰は可能だろうか…と思っていた矢先、当院のカムバックナースのセミナーがあるというお知らせのチラシを見つけたため、勇気を出して参加することにしました。

一から頑張ろうという気持ちで復帰

 カムバックナースのセミナーには、子どもたちを院内保育所に預かっていただき参加したのですが、最終日に4歳の長男が熱を出して欠席することになりました。「こんな状態では復帰は無理だな・・・」と肩を落として看護部長にご挨拶に伺ったのですが「ぜひいらっしゃい。うちはみんなが助け合ってやっていますよ」という言葉をいただきました。その言葉で不安な心に少しの希望をいただき「ここで一から頑張ろう」という気持ちを持ってパート勤務でお世話になることにしたのです。
  再就職した当日、子どもたちを保育所に預けるときには、別れ際に大泣きをする子どもに後ろ髪をひかれる思いで足早に職場に向かったのですが、子どもはすぐに泣き止んでお友達と楽しく遊んでいたとか。親が思うほど子どもは弱くはないということを実感し、子どもは保育士さんに信頼して預け、白衣を着ている時は患者さまにしっかり向き合おうと心に決めました。         

主観を入れずに患者さまの声を聴く

 今は、消化器病センター(化学療法室)に勤務しており、私が看護させていただく患者さまは、がんを患った方が大半です。がんになった患者さまは、告知を受けた時点から一生を通して闘い続けることを強いられます。治癒しても再発の不安とずっと闘うことになるのですから。そんな患者さまに対して、がんとともに自分らしく生きることをサポートするのが私たちの役割ですが、特に化学療法を受ける患者さまに対しては、私の知識を使ってできる限り苦痛を和らげるような援助がしたいと思っています。たとえば化学療法を受けると様々な副作用が出てきますが、予測される症状を伝えて、前もって予防策をとることや、その症状が出たときの早期対応策をお伝えすることを心がけています。そうすると患者さまから「教えてもらってよかったわ」と感謝の言葉をいただくことも多くなり、そんなときには看護へのやりがいを感じます。 また、もうひとつ心がけているのは、主観を入れずに患者さまの訴えを聴くということ。価値観は人それぞれなので、自分の尺度で判断せず、全てを受け入れていきたいと思っています。それは痛みなどに対する訴えも同じ。たとえ軽症であっても「痛い」という患者さまに「大したことないやん」というような気持ちを持たず「痛い」と訴えざるを得ない患者さまの気持ちを考え、それに応えていきたいですね。
  今はパート勤務の私ですが、子どもの成長と共に私の働き方も変えながら、将来的には常勤になろうと考えています。そのためにも今のうちから化学療法や緩和ケアなどの知識や技術を深め、これからたくさんの患者さまの力になれたら幸せです。
                  
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