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「あきらめない看護」を実践するために

看護部長 下 澄子

画像   当院は、差別と貧困の中で苦しむ人々を救う医療から出発し、これまで最も困難な人に寄り添う立場で、地域に密着した幅広い医療・福祉活動を続けています。すべての人のいのちは平等です。だから私たちは、いつでも誰でも安心して医療が受けられる病院づくりにとりくみ、患者さまの人権を守り、その人の生涯の一部分、その人が紡ぐ人生の歴史をお手伝いするという意識で看護をしたいと願っています。 

  看護部がめざすのは「あきらめない看護」。病気とたたかう患者さまが、この先どう生きたいのか、そしてどんな最期を迎えたいのかを理解して、ご本人とご家族の望みを叶えるために、決してあきらめることなく看護を提供したいと思います。だから看護師は疾患だけを看るのではなく、自分もひとりの人として、患者さまやご家族といろんな角度から関わりを持ってほしいと考えています。

  私が病棟師長のころの話です。私の病棟に、亡き息子さんの仏壇を拝むことが生きがいの一人暮らしの末期患者さまが入院されていました。「家に帰りたい」「息子の仏壇を拝みたい」それが最後の願いだったのですが、状態が悪いその人を1人暮らしの家に帰すのは誰もが躊躇する事でした。「それでもあきらめたくない!」全ての職員の想いは同じであり、退院支援に取り組みました。しかし私は「これでいいのだろうか?」と、退院のその日まで、深く悩んでいたのです。
その人が退院されてから数日後、ヘルパーさんから状態の変化の報告を受けて入院中の主治医と看護師が訪問しました。今にも消えそうな呼吸で息子さんの仏壇に最後の線香をあげ、みかんを一口食べて「おいしかった。ありがとう」という言葉を残し、主治医の腕の中で眠るように旅立たれました。それはその人が望む最期の時だったことでしょう。「あぁこれでよかったんだ」と実感できる出来事でした。
  当院には「あきらめなくてよかった」という看護のやりがいを感じられる場面がたくさんあります。1人でも多くのナースがそんな場面に出合い、あきらめない看護のやりがいを実感してほしいと願っています。

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